特定非営利法人 元気・勇気・活気の会:資源の有効利用を促進し循環型の社会を
畜産廃棄物、植物残渣、生ごみを有効活用した有機堆肥
このNPO法人は、自然環境が維持・保全される社会を実現するために、循環型社会を形成することを目的に設立されました。法人名の「元気」「勇気」「活気」から通称「三気の会」と呼ばれています。有機農業の啓発、廃棄物の有効活用、有機農業による生産技術の研鑽など、幅広く活動が行われていますが、中でも大きな取り組みの一つが廃棄物の堆肥化です。循環型社会の原点ともいえるこの活動は、生活の中で生ごみを堆肥化してごみの減量化を図り、かつその堆肥は永久的に活用できるので環境保全にもつながっています。
副会長の北島さんは設立メンバーとして先頭に立ち活動を行っています。「私は市役所に勤務していた時、農林水産、都市計画、環境の3分野で業務を遂行してきました。その時の経験を大いに生かして退職後も環境に関する活動を続けています」と北島さん。住まいのある巨勢町に所有する約4丁の田畑でも完全無農薬の有機農法を取り入れています。有機農業に出会ったきっかけは、ある著名な環境カウンセラーとの出会いでした。
アースラブの母材づくりのため米ぬかを足している
鶏糞も追加
スコップを入れて発酵を促す
「その方に教えてもらったのが『アースラブ』です。アースラブは、アミノ酸21種類と酵素活性再現に不可欠な金属元素イオン15種類を含有する酵素活性作用補助剤『銀の雫』を元にオガ粉に特殊配合した堆肥化用資材のことで、私たちがつくる堆肥の母材となります。この母材の不思議なところは、においがほとんどないこと。これは菌の力ではなく微生物の活性化によるもので酵素の働きが元になっているんです」と北島さんは話します。
北島さんは、このアースラブを使って堆肥をつくり、ご自身の有機農業に活用しています。
私たちも生活の中で循環型社会に寄与しよう!
倉庫で眠らせていたアースラブの母材を活性化させるための作業
「完全天然素材でできたアースラブを入手して早速使ってみたい」と思ったら、まずは会へ連絡をしてみましょう。この貴重な母材は販売ではなく会員やアースラブの講習会に参加した人に配布されています。
「うちではアースラブの商品としての販売は行っていません。循環型社会や有機農業に興味がある方が一人も増えるよう、会の活動を通じて配布しています。会員さんは毎週土曜日に活動しています。一般の方向けには年に1回アースラブ母材の作り方・生ごみ処理の講座を開催しています」とのこと。興味のある方はぜひ参加してみては。会の活動は、土曜日の午前中。義務ではなく参加できる人が参加して主に屋外での作業に取り組んでいるそうです。
自宅で生ごみを堆肥化してごみを減らそう
アースラブの活用
①アースラブを4等分する
通気性のある土嚢袋や不織布の袋に小分けしましょう。
②一つ目の袋に生ごみを入れる
生ごみを細かく刻んで袋に投入し、ふくろの上から混ぜる。
毎日約600~700gの生ごみが出る家庭は約1週間で次の袋に移行します。
③二つ目の袋も同様に生ごみを入れる
一つ目の袋はそのまま置いておく。発酵が止まらないよう寒くないところに置いてください。
三つ目、四つ目の袋も同様に1週間程度で移行してください。
④最初の袋から半分を取り出して堆肥として使用
残りを母材として生ごみを投入していく
⑤この工程の繰り返しで永久的にアースラブを活用できます
※ごみの投入に不向きなもの
貝殻、魚・豚・牛などの大きな骨
食品ではないもの
※処理に時間を要するもの
卵の殻、玉ねぎの薄皮、かんきつ類の皮、繊維質の多いもの
中央が副理事長の北島さん。北島さんに賛同して活動に参加している栗丸さん(左)と飯盛さん(右)
会員のメッセージ
栗丸昌伸さん
「市の広報紙に有機農業の案内が載っていて、冬コースで有機農業を実体験して勉強になったので、夏コースも入ろうかと思っていたら会に誘われ入会しました。それからは土曜日の活動に楽しく参加しています。農業はやはり1年を通してやってみないと分かりませんね。循環型社会の形成にもちろん興味はありますが、まずは家庭で無農薬の野菜を食べることからと思っています」
趣味づくり、いきがいづくりに何かしたいと考えている人は、ちょっと会の活動を覗いてみませんか? 平均年齢はゆうに60歳を超えているこの会で仲間とワイワイ楽しみながら持続可能な循環型社会の形成に関わってみましょう。
問い合わせ
NPO法人 元気・勇気・活気の会
080-5200-3997(副理事長 北島忠俊さん)
文/庄島 瑞恵