株式会社ミゾタ:二酸化炭素の吸収源となる森林保全に取り組む「ミゾタの森」づくりを継続

「企業の森林(もり)づくりに関する協定」がきっかけ

平成20年11月、株式会社ミゾタは佐賀市と「企業の森林(もり)づくりに関する協定」を結びました。「水の総合エンジニアリング企業」として水と緑を密接な関りをもってきた会社だからこそ、人と環境にやさしく寄り添い、環境保全のためのボランティア活動を積極的に行っている同社では、「佐賀市の森を管理してみてはどうか」と県からの提案があった。そこで、佐賀市の企業でいち早く手を挙げて森林づくりに参加することになりました。開始当初に管理を担当したのは三瀬村三瀬地区の森林でした。

佐賀市三瀬村 小ヶ倉地区 育樹活動

「開催にあたっては土曜日をあてていました。会社で参加者を募り、数年間は貸し切りバスで現地に行って、植樹や保全を行ってきました。森林のすぐそばが温泉施設でしたので、作業後は温泉入浴をして帰っていいように入浴券を渡していたこともあります」と企業倫理室の土井さん。

ボランティアはできる範囲で長く続けることが大切です。会社で管理する森林は、社員やその家族がいつでも訪問できるようにして、自然を大切にすることの意味や保全活動をすることで環境問題に寄与していることを実体験で理解できるようにしていました。平成30年からは同村小ヶ倉(こがくら)地区に場所を移して植樹や下草刈り作業などの森林活動を継続しています。

地球温暖化防止活動の一環として始めた「ミゾタの森」活動は、ゆうに30回を超え、今では新入社員研修として導入されています。この場所で会社の理念を学び、環境教育ができるとあって有意義な機会となっているようです。

脱炭素の取り組み実績を数値化して共有

同社では常日頃から環境問題や社会貢献に関心を持ち、地元の活動にも積極的に参加しています。年に2回、「川を愛する週間」に合わせて多布施川の清掃活動に参加し、除草作業や水中の空缶やごみ拾い、遊歩道の草刈り作業を行っています。また、水にちなんだ貢献活動で、身近な水環境の全国一斉調査にも参加し、嘉瀬川の中流~下流域の5地点(渡瀬橋、池森橋、嘉瀬大橋、嘉瀬橋、嘉瀬大堰)でパックテストCODによる水質調査を実施しています。

新人研修

社内ではエコ通勤制度を導入し、毎日の通勤手段をチェックしどれくらいCO2を削減できたか数字にして発表しています。また、社用車の使用状況に関して、距離数などを計算して排出したCO2量を全体で共有しています。ほかにも、昼休みには社内の消灯に努めたり、家庭の電気を消してキャンドルを灯す活動を推進するなど、小さな実践の継続が環境のために役立っています。こうした環境を守る取り組みがきちんと仕組み化されていることで習慣化にもつながっています。「確立された制度を継続できているのは、土台をつくってくださった先輩方のおかげです。何事も最初が大変ですからね」と品質保証本部の宮﨑さん。

キャンドル活動

一人一人が意識を持って環境問題に取り組むには、企業として社員に意識を浸透させて継続していくことが必要です。ミゾタでは、これからも先輩から後輩へ、そしてその先もバトンをつなぎながら環境問題と向き合っていきます。

文/庄島 瑞恵